昔の人ってね。結婚するまで相手の顔を見れなかったんだって。顔を見るのが結婚した証なんだって。
それって、なんだか残念だよね。笑顔に勇気を貰えることが出来ないんだなあって。笑顔を見て、もっともっと好きになることがないんだなあって。今お話ししてるこの瞬間、どんな顔で笑ってるんだろって想像するのがよかったのかなあ。



だけどやっぱりお手紙だけじゃ物足りなかったのかなあ。嫌な人だったらどうしよう、ちゃんと顔を見て話したい。そう考えたから、いつしか恋愛に行き着くまでの過程が変わったのかな。
ほら見て、あの子笑ってる。今のお話、面白かったかな。よかったな、ってああ幸せだなあって。顔を合わせる事で、会話がどんどん楽しくなったんじゃないかなあ。


でもね、どこで間違えたのかな。頼りすぎて傾いた体はもう戻れない。だめだよ、悲鳴を上げていたのに今の苦しみを優先した。





くるしいよ。しんどいよ。いきできないの、きえちゃいたい。そんな時、ああやっぱりまた、決まって笑顔で手を差し出してくれるから。だからその手を掴んでしまう。笑顔がほしいから。その笑顔、あたしにちょうだい。あたしも笑顔になりたいの。そしたらね。いいよって言うように、また笑ってくれるんだ。





いっそのこと、とってもとっても嫌な人だったら、よかったのにね。そしたら、笑顔がほしいななんて思わない。顔を見ようとなんてしなかった。









すきになんかならなかったのに。

















わらって